Winny 開発者に有罪判決が出た。Winny 開発は有罪で、罰金 150 万の支払いが命じられた。
この事件については開発者が逮捕された時点から賛否両論様々だ。
そもそもの逮捕の理由は、Winny 開発者が直接著作権を侵害したわけではなく、著作権侵害を幇助したことが犯罪だとされた。
これを否定する意見としては、道具を作った人には道具を使った事件の責任はないというもの。よく例えられるのが、ナイフを作った人はそれを使った刺殺事件には責任がないというのだ。Winny は優れた道具で、著作権侵害という犯罪は利用者の責任で開発者には責任はないというのが主な反対意見だ。
たしかに Winny を使えば、だれでも自分の持っている音楽や映画のファイルを公開できるし、誰かが公開したファイルをもらうことができる。
そこでこの Winny の一番の問題点は、匿名性が強く、これの利用者を特定することが難しくなるような仕組みがあるということだ。利用者を特定することが簡単であれば、単に FTP や共有フォルダをインターネットに公開しているのと同じなので、Winny だけが問題視されることはなかっただろう。
これを例えるなら、指紋が付かず、人に刺しても出血が出ないので返り血を浴びないナイフのようなものだろうか。まあ、もちろんそんなモノは存在しないだろうが、それを使って殺人をしてもその利用者が特定できないようなナイフを作ったら、それは殺人の幇助になるのではないか、ということだと思う。
個人的には Winny 開発者は著作権侵害を幇助する意図があって開発したのは間違いないと思う。そしてそれは有罪になっても仕方がないのではないかとも思う。
しかし、ぶっちゃけて言っちゃえば Winny で著作権侵害が蔓延するのはどーでもいい話だと思っている。
だいたい Winny の利用者を特定するのは、いくら難しいとはいえ、実際に逮捕者も出て不可能ではないということが証明されたわけで、あとはがんばって本来の悪人である著作権侵害者をビシバシ逮捕しすれば良い。
それよりも今大きな問題になっているのは Winny の脆弱性を利用したウィルスによって情報流出事件が後を絶たないことじゃないだろうか。
Winny 開発者を有罪にしてしまったら、Winny の開発は再開できないわけで、Winny の脆弱性は直らないままになってしまう。
罰金 150 万よりも、Winny 改良を命じるほうがよほど建設的なのではないかと思うがどうだろう。
2006年12月13日
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